2015年03月18日
アジア投資銀、独仏伊も参加=G7の過半加盟-日米の対応難しく
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015031701009&g=int
【フランクフルト時事】ドイツ、フランス、イタリアは17日、中国主導で年内の発足を目指す国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加すると表明した。先に参加を発表した英国と合わせ、先進7カ国(G7)中4カ国の加盟が決定。参加表明国は31カ国となった。AIIBの存在感は大きく増す見通しで、距離を取ってきた日米両国は難しい対応を迫られそうだ。
欧州諸国の決定は、韓国やオーストラリアなど態度を保留している国にも影響を与えそうだ。
独財務省は声明で、「AIIBはアジアの経済・社会的発展と、世界経済の成長を促進する」と表明。統治体制や投資案件の審査など、日米が懸念を示す部分についても「最良の基準と実践」を実現できるようにするとした。
中国はシルクロード経済圏構想として、ユーラシア大陸で物流網やインフラを整備する計画を掲げている。欧州にはドイツを中心に、鉄道など高水準のインフラ技術を持つ企業が多く、AIIB加盟で大型投資案件に関わりやすくなれば、恩恵は大きい。メルケル独首相も昨年にシーメンスなど主要企業の首脳陣を引き連れて就任7度目の訪中を果たし、政財界一体で中国との関係強化を進めてきた。
日米両国は、組織体制が不明瞭だとして、AIIB参加に慎重な立場を取ってきた。英国などの参加方針について麻生太郎財務相は17日の閣議後会見で、「中に入って(AIIBの組織づくりを)きちんとやるべきだという意見が欧州に多い。(中国側と意見が)合わなければ出ればいい」と指摘。その上で「(AIIB参加交渉で)何を条件にするのか、G7などで意見をある程度調整していく必要がある」との認識を示した。(2015/03/17-22:55)