2013年02月14日
困った、Android
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130208/243518/
次こそiPhone…品質でつまずいたAndroidスマホとドコモの憂い
「先進性」を急ぐチャレンジ精神も裏目に
困った、iPhoneへの流出が止まらない……
先日、NTTドコモの春商戦向け発表会でドコモの関係者と立ち話をしていたら、彼がこんな本音を漏らした。
「最近、困ったことに『Androidの品質が悪い』という理由でiPhoneを購入する人が増えているんですよ……」
2012年NTTドコモの春モデル発表会
2012年1月22日に開催されたNTTドコモの春モデル発表会。女優の堀北真希さん(左端)と俳優の渡辺謙さんに(右端)に挟まれ、にこやかな表情を見せるNTTドコモの加藤薫社長
2012年9月のiPhone5発売以降、NTTドコモからKDDIとソフトバンクモバイルへのMNP(番号持ち運び制度)による流出が増えている。いつまでたってもドコモからiPhoneが発売されないため、しびれを切らしたユーザーが相次いで他社へ移行しているのだ。「iPhoneが格好いいから」「アップルが好きだから」というのであればともかく、出ていく大きな理由が「Androidスマホの品質が悪い」というだけに、ドコモ関係者の悩みも深刻だろう。結果的に、iPhone急増の後押しをしてしまったことになるからだ。
確かに、ちょっと前までのAndroidスマホは決してほめられる存在ではなかった。
「バッテリーの減りが早い」「画面の反応が鈍い」という程度なら可愛いもので、「フリーズしてしまう」「アプリが立ち上がらない」「音声着信が鳴るものの画面は真っ黒で電話に出ることすらできない」といったものまで不満の種は実にさまざま。あまりに不具合が多すぎて、「電話として機能していない」という機種もあったほどだ。かくいう私も、Androidスマホには何度も泣かされてきた経験がある。
そんなネガティブムードの中、Androidスマホに飛びついた人がiPhoneに乗り換えると、「安定して使える」という当たり前のことに感動するようになる。スマホデビューをしていない人から購入相談を受ければ、当然、「iPhoneの方がいいよ」と薦めるようにになる。かくして「Androidスマホの品質はいまいち。買うならiPhone」という口コミが広がっていく……。ドコモ関係者は、この“口コミ効果”をとても気にしていたのだ。
言うまでもなく、スマホを開発する上でメーカーの「ノウハウ」は品質面に大きな影響を与える。サムスン電子のGALAXYシリーズがサクサクと動き、快適に使えたというのは、同社が世界中のキャリアへ納入し、大量に生産してきた実績がものを言っているからだ。
その点、日本メーカーのほとんどが日本国内市場のみの展開となるので、どうしても開発台数が少なく、これまではノウハウが蓄積されにくかった。
特に“品質”という面で、マイナスイメージが強くなってしまったのが富士通だ。過去の「Arrowsシリーズ」や東芝ブランドの「REGZA」は、頻繁にソフトウエアのアップデートを繰り返すなど、プラットフォームとして安定している感じがしなかった。実際、ドコモショップなどの店頭でもクレームが多く、店員の評判もいま一つのようだった。
差別化のチャレンジで品質がおろそかに
そこで一度、富士通の幹部に「スマホの品質面での改善について、どう取り組んでいくのか」と直撃したことがあった。彼によると「日本メーカーとして、スマホの世界で差別化していくには、いち早くCPUに高性能なクアッドコアを載せるなどのチャレンジが必要だった。そのため品質の方が追いつかない面もあったが、改善するよう努力している」と語っていた。
確かに富士通は他社をリードするため、LTEやクアッドコアなどのスペック面で“攻めて”きたメーカーだ。だからこそ、先進的なユーザーは好んで富士通製のスマホを選んできたのだが、先を急ぐあまり、それがかえって裏目に出てしまったようだ。不安定なスマホをつかまされたユーザーは、中途解約に踏み切る決心がつかなければ、2年近く同じ機種を使い続けることになる。その結果、「次は必ずiPhoneを選ぶ!」という思いが強くなってもおかしくない。
「Androidの品質」で思い出したのが、ソフトバンクでAndroidスマホの開発を担当する関係者の言葉だ。
「うちの社員はみんなiPhoneを使っている。だから、メーカーから提案されるAndroidスマホに対して、とても厳しい要求を出す。iPhone並みのクオリティじゃないと、満足できないからだ」
実際、ドコモの担当者が「OK」というような仕様でも、ソフトバンク担当者だと「ダメ出し」をするケースもあるという。iPhoneを取り扱っていることで、全体の品質管理が向上していくのだという(だが、いくらソフトバンクのAndroidスマホが使い勝手が良くても、販売現場の主力はiPhoneなので、あまりユーザーの手に届かないのが残念ではあるが……)。
iPhone売りたいけど、日本メーカーが苦境に
悪いイメージにとりつかれてきたAndroidスマホだが、OSがAndroid 4.0以降になってからは、どのキャリアの端末もかなり品質が安定してきている。特にこの冬モデルから春モデルにかけては、「クアッドコア」のチップセットが良くて、とても機敏に使えるようになっていると思う。
最近は海外メーカーだけでなく、日本メーカーもAndroidスマホの開発がこなれてきたことを実感している。実際、普段から「AQUOS PHONE ZETA」と「HTC J butterfly」を使っているが、とても快適だ。
日本メーカーもここにきて、ようやくノウハウを蓄積し、高い品質のスマホを作れるようになったのだろう。本来であれば品質管理は日本メーカーの得意とするところであるだけに、なんとか「Androidも安定して使える」ことを証明してマイナスイメージを払しょくし、アップル、iPhoneに品質面で肩を並べてもらいたい。
冒頭のドコモ関係者に対し、「こうなればいっそのこと、ドコモもiPhoneを導入しちゃえばいいんですよ」と強めに突っ込んだら、「うぅ、それでは日本メーカーが倒れてしまいますよ」とのこと。
彼が言うように、もしドコモがiPhoneを導入するようなことにでもなれば、日本メーカーへの打撃は避けられそうにない。おそらく、スマホ事業から撤退を余儀なくされるメーカーも出てくるだろう。厳しい選択を迫られるのは必至だが、スマホ時代になり、日本と世界の垣根が既に無くなっているのも事実だ。ソフトバンクがiPhoneを導入したことで品質を底上げしたように、競争環境を促進し、日本メーカーを強くするためにも、NTTドコモは一刻も早く“鎖国”を解き、強敵を迎える必要があるのではないだろうか。
MEDIAS使用中だけど別に不具合無し・・・?SBは買う気しないし・・・キリッ。
それでも、アップルサプライヤーに日本企業が多い件・・・
2012/01/16
Posted by 春 ヲ 呼 プ at 08:00│Comments(0)
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