2011年08月09日
実はまだ円安? 実質実効レートでは最高値の7割
東京新聞 http://goo.gl/2C3Ez
戦後最高値(一ドル=七六円二五銭)に迫る水準が続く円高。ただ輸出企業の国際競争力を見るのに適した「実質実効為替レート」(指数)では、最も高かった一九九五年四月(当時の円最高値は一ドル=七九円七五銭)より三割ほど円安水準になっている。
普段、よく耳にする円ドル相場は、物価の変動を含んだ名目で、米国と日本の二国間の為替レートを指す。一方、実質実効為替レートは、物価の影響を取り除いた実質で、米との二国間だけでなく、多国間の貿易額に応じた通貨取引の比重も考慮に入れて算出する。
「円ドルレートよりも対外競争力を適切に表している」(日銀)とされる実質実効為替レート(二〇〇五年=一〇〇)は、数値が大きいほど円高であることを示す。直近公表分の六月は一〇一・五で、九五年四月の一五一・一と比べて三割強の円安水準となる。
当時との最大の違いは、物価が下落するデフレが十数年続いている点だ。日本政策投資銀行の田中賢治氏は「物価が下がり、お金の価値が高まるデフレを考慮した名目では円高だが、物価を加味しない実質だと当時より水準は円安」と説明する。ただ新興国の台頭など競争条件が異なり、単純比較は難しいという。
輸出企業は「円高との闘いはわれわれの宿命」(トヨタ自動車の伊地知隆彦専務役員)と原価低減の努力を続けてきた。これに対し、SMBC日興証券の野地慎氏は「企業は価格競争力を保つため、よかれと思って従業員の給与を下げた。だが、それが生活費の切り詰めなどを通じて、デフレ要因となり、円の価値が高まる一因となった」と皮肉な構図を指摘する。 (白石亘)
戦後最高値(一ドル=七六円二五銭)に迫る水準が続く円高。ただ輸出企業の国際競争力を見るのに適した「実質実効為替レート」(指数)では、最も高かった一九九五年四月(当時の円最高値は一ドル=七九円七五銭)より三割ほど円安水準になっている。
普段、よく耳にする円ドル相場は、物価の変動を含んだ名目で、米国と日本の二国間の為替レートを指す。一方、実質実効為替レートは、物価の影響を取り除いた実質で、米との二国間だけでなく、多国間の貿易額に応じた通貨取引の比重も考慮に入れて算出する。
「円ドルレートよりも対外競争力を適切に表している」(日銀)とされる実質実効為替レート(二〇〇五年=一〇〇)は、数値が大きいほど円高であることを示す。直近公表分の六月は一〇一・五で、九五年四月の一五一・一と比べて三割強の円安水準となる。
当時との最大の違いは、物価が下落するデフレが十数年続いている点だ。日本政策投資銀行の田中賢治氏は「物価が下がり、お金の価値が高まるデフレを考慮した名目では円高だが、物価を加味しない実質だと当時より水準は円安」と説明する。ただ新興国の台頭など競争条件が異なり、単純比較は難しいという。
輸出企業は「円高との闘いはわれわれの宿命」(トヨタ自動車の伊地知隆彦専務役員)と原価低減の努力を続けてきた。これに対し、SMBC日興証券の野地慎氏は「企業は価格競争力を保つため、よかれと思って従業員の給与を下げた。だが、それが生活費の切り詰めなどを通じて、デフレ要因となり、円の価値が高まる一因となった」と皮肉な構図を指摘する。 (白石亘)
Posted by 春 ヲ 呼 プ at 07:09│Comments(0)
│国際情勢